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LIVERPOOL

#2/2 The Beatles 来日50周年記念『ロバート・ウィテカー写真展』オープニング・イベント

Robert Whitaker

【第三部】
John Lennonの妹、Julia Bairdさんによる
トーク・セッションが行われました。
 #1/2 The Beatles 来日50周年記念『ロバート・ウィテカー写真展』オープニング・イベントからのつづきです^^

Julia Baird▲ジョン・レノンの妹
ジュリア・ベアードさん

Juliaさんも、お兄さんのお話の前にリヴァプールについてお話されました。

お話が上手で明るく楽しいJuliaさんは、
通訳の方から「少し待って、ここまでを今、訳しますから」と
お声をかけられるシーンが何回かありました^^

Juliaさんにとってホームタウンであるリヴァプールは素晴らしい文化、
建造物、劇場、レストランが揃っている都市で、後ろには山、正面には海と
前を向いて開かれているというコトを伝えたい、とおっしゃっていました。

Liverpool Empire Theatre▲Liverpool Empire Theatre
2015年6月24日撮影

西暦1207年からある古い港町のリヴァプールには、
欧州では最古の中華街もあり、西暦1500年あたりから、
アフリカからも人が来ているそうで、ロンドンのように
リヴァプールも“人種のるつぼ”の街とのことです。

とても豊かな文化もあり、
ジョージアン様式の建築物がロンドンの次に多く、
また、リヴァプールには珍しいコトに1つの街、
さらには同じ道をはさんで2つの大聖堂があります。

1つは欧州で最大のゴシック建築
“Anglican Cathedral”と呼ばれている“リヴァプール大聖堂”

もう1つはCatholicの“Liverpool Metropolitan Cathedral”。
美しいステンドグラスと、すべて修道女による手づくりの素晴らしい
刺繍や織物のタペストリーが飾られているそうです。

次に、“Hard Days Night Hotel” について紹介がありました。
Juliaさんもディレクションをしていらっしゃる
The Cavern Club”の近くにあります。

Hard Days Night Hotel▲Hard Days Night Hotel外観
2015年6月23日撮影
Hard Days Night Hotel▲Hard Days Night Hotel
ギャラリーのような階段
Hard Days Night Hotel▲Hard Days Night Hotel
エントランス

ここからは、いろいろなランキングについてお話されていました。

《英国で訪れてみたい都市ランキング》
1位…London(ロンドン)
2位…Edinburgh(エディンバラ)
3位…Liverpool(リヴァプール)

20年前にはリストにも上がってこなかったというリヴァプールですが、
Juliaさんは「これからは1位になってほしい」とおっしゃっていました^^

《訪れてみたい英国の観光地ランキング》

Big Ben▲2012年8月13日撮影
19年前に初めて観たときはキラキラしていて
「なんて美しい建物かしら!」と思いました。

1位…Big Ben(ビッグベン)
2位…House of parliament(国会議事堂)
3位…New Tate Gallery(Tate Modernのコトでしょうか?)
4位…Millennium Bridge(ミレニアムブリッジ)
5位〜8位……忘れたわ^^(というのは冗談で*笑、割愛されたのかと )
9位…The Cavern Club

そして10位は……
Buckingham Palace(バッキンガム宮殿)!
なんと!近衛兵の交代よりも、キャバーンが上という……。。

Buckingham Palace▲バッキンガム宮殿
2012年8月11日撮影

「女王さまもリヴァプールに引っ越していらっしゃるでしょう」と
ジョークで会場を沸かせていらっしゃいました^^

Tate Liverpool▲コチラは“Tate Liverpool
Albert Dock, Liverpool
2009年6月30日撮影

そして英国で最も安全な場所として、リヴァプールが選ばれているそうです。
Juliaさんはこのコトをアピールし「観光で来る皆さんを歓迎します!」とおっしゃっていました。

Jelly Beans The Beatles▲“Funky Candy Shop” Albert Dock, Liverpool
2015年6月24日撮影
Albert Dock, Liverpool Jelly Beans The Beatles▲なんと……Jelly Beansでつくられています!!

私も実際に観光をして、リヴァプールは親切であたたかい方ばかりで治安も良いと感じましたが、
やはり文化も環境も異なる海外の旅先ですので、
いつも以上に気を引き締めて行動されるのが良いとは思います^^

毎年8月の最終週には“International Beatle Week”が開催されていますが、
特に来年2017年は大変重要で、“Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band”の
リリース50周年となるため、チケット入手困難が予想されるそうです。

来られる方々は(1年前となる)今から予定を立てられるのをオススメされていました。
フィル・ハーモニー・オーケストラも入り、大変素晴らしいイベントになるとのコトで
うぅーーん、、行きたくなりますね……^^;

リヴァプールの紹介は、以上でした。

・・・

この後に、Juliaさんのお兄さんであるJohnのお話に入ります^^

Johnには、6歳半年下の妹・Juliaさんと9歳年下の妹さんJackieさんがいらっしゃいます。

Juliaさんはよく
「ビートルズと成長するというのはどのような感じですか?」
と訊かれるそうですが、
「ビートルズではなく“John”というお兄さんと一緒に私は成長していったのです」
と答えられるそうです。

お母さまは楽器に対してとても熱意のある方で、
男の子たちを家の広いキッチンに集め練習をさせることを勧めていたそうです。

The Beatlesの前進バンドであるThe Quarrymen
はじめのドラマーは(Pete Bestではなく)Colin Hantonさんでした。

そのColinさんのお母さまも「楽器の練習をしてもよいわよ」と言うものの、
彼女が買物で外出をしていて家に不在の
「土曜の午後のみだけ」という条件だったようです。

一方、Juliaさんたちのお母さまは、その逆で
「(自分が家にいる)日曜の午後であれば練習してもよいわよ」と言い、
自らも演奏の練習に参加し、子どもたちを応援していたそうです^^

Johnがはじめて演奏したのは12〜13歳の頃で、
楽器はバンジョーからです。

海員だった(お母さま方の)お祖父さまが海上業務から引退され、
地上のシッピング業務に移られる前に海から持って帰ってきたのが
Monkeyとバンジョーだったそうです(お猿さん!)。

お祖父さまから受け継いだ、その美しく素晴らしいバンジョーを
お母さまはとても上手に弾いていたので、Johnもそうなりたい!と思い、
お母さまがJohnの背後に立ち、上(左手)のフラット部分をおさえ、
Johnに下(右手)の弦を弾かせ、またその逆も行いコードを覚える方法で
お母さまからJohnはバンジョーの奏法を教えてもらっていたそうです。

楽器を教わっているシーンがコチラの映画にもありますね^^
Juliaさんの原作が映画化された作品です。
私は劇場で観ましたが、今回のJuliaさんのトークイベントで
久しぶりに、ゆっくり見返したくなりました。
映像も美しく、オススメです。

・・・

おともだちがよく家に来るようになった頃、
Johnは近所の人たちに教えてもらったハーモニカも
吹けるようになっていたそうで、Johnのハーモニカを聴く度に、
このエピソードを思い出しそうです♪

Julia Baird

Colinさんは初代ドラム担当ではありましたが、
楽器は“Tea Chest Bass”からスタートしたそうです。

Tea Chest Bassについて、Juliaさんはイスから立って説明してくださいました。
The Beatlesの“初期の初期の頃”のお話で、中国、日本、インドなどから輸入された
茶葉の(空になった)木箱の天面中央に穴を開け、ホウキの柄の先に結びつけた
洗濯ロープを通し、木箱の天面に足をのせてベースのように音を鳴らす楽器とのことです。

Julia Baird▲Mrs. Baird explained to us how to Play Tea Chest Bass.

小柄なColinさんでしたが、この“Tea Chest Bass”をいつも持ち歩いていたそうで、
Juliaさん宅のキッチンでも、そしてColinさんのご自宅でも練習していたため、
その往復路のバス車内でも持っている姿は変わって映っていたそうですが、
それだけ楽器への情熱を持っていらっしゃったということですよね^^

現在、ColinさんはThe Quarrymenの一員
=キチンとしたドラム奏者としてアメリカ、ヨーロッパ、
そしてチャリティー・イベントでも演奏をされている、
とてもとても良い方々なのだそうです。

・・・

お母さまはバンジョー以外にも、
Lonnie Doneganのようなスキッフル音楽を、
指貫(ゆびぬき)をつけてWashboard(洗濯板のような楽器)を
かき鳴らし弾いて演奏していたそうです。

その頃7〜9歳だったJuliaさんは、毎週キッチンに大勢の人たちが集まり
かなり大きな音で行われる練習をうるさく感じていたそうですが、
幸いお母さまは、そのような雰囲気が好きだったようで、お母さまの音楽愛が、
どれだけJohnにとって、大きな影響を与えたかが伝わるエピソードです。

P6264459

ある日The Quarrymenは教会で行われる、年に一回のお祭り
“Sunday School”のライヴに招待されるという大きな出来事がありました。
Johnが人前で初めて演奏をするコトになったイベントで
家族全員でワクワクしながら、参観に出かけたそうです^^

The Quarrymenの一員であるJohnは、花に彩られたローリー(トラック)に乗り
教会の大広場に向かっていましたが、徒歩でも追いつく遅さで走行していたため、
ローリーから足をダラ〜ンとさせながらギターを弾いていたJohnを
Juliaさんと妹さんたちは引きずり降ろそうとイタズラをしていたそうで、
仲の良い兄妹による楽しそうな微笑ましい光景が目に浮かびます^^

そして遂にこの日、The Quarrymenのオリジナルメンバーである
友人Ivan Vaughanさんの紹介によって、JohnとPaulは出会うコトになるのです!

この世紀の“馴れ初め”は『ロックスターの英語』に収録されている
インタヴューで、Sir Paul McCartneyご自身もお話されています^^

イベントの午後の部に遅れて来られなかったPaulは、
夜の部に来るコトになりますが、Juliaさんたちは
まだ幼かったため、夜の部には残らずご家族と帰宅されたそうです。

そのときにChurch Hallで、ちょっとしたオーディションが行われたそうで、
“Long Tall Sally”(邦題『のっぽのサリー』)をコピー演奏することになりますが
歌詞を全部覚えていなかったPaulは、同じ言葉を何度も繰り返して歌っていたそうです*笑
(この様子をかわいいと思いつつ、一生懸命さが伝わる演奏だったのでは、と想像します^^)

そのような感じではあったものの、Elvis Presleyをどこか思わせるところもあったPaulを
Johnは気に入り、晴れてThe Quarrymenのメンバーとして参加することになったそうです。
(この頃のお写真のPaulも、まるでお人形さんのような愛くるしさがありますよね^^)

※加入時のエピソードも諸説あるかと思いますが、今回はトークイベントで伺った内容を綴ります。

ロックンローラーであるJohnは、
PaulがR&Rを歌うのをとても気に入ったようですが
Paulが初めてThe Cavern Clubで“Long Tall Sally”を歌ったあと、
元々はキャバーンがJAZZ CLUBであったコトを理由に、
キャバーンのマネージャーから「もう二度とココに来て歌うなよ」と
言われたそうで……今では考えられないエピソードです*驚

Cavern Club▲Original Entrance to The Cavern Club!
2015年6月24日撮影

・・・

続いて、JohnとGeorge Harrisonとの出会いです。

リヴァプール市内を走る緑のダブルデッカー
(二階建てバス)の上でオーディションが行われます。
Georgeは自分のギターを持参し「ボクにはコレができる!」
というトコロをみせ、B7(ギターのコード)を知っていたカレは
見事合格し、メンバーになったそうです^^

ここで、The Beatlesの3人が決まるワケですが、
Ringoとの出会いについては《カレがなぜ加入したか》
いろいろな議論があり……“スキ・キライ”であるとか、
“Pete Bestは世界一ハンサムなドラマーだったから”とか……
……Juliaさんは、真実をご存じないそうです。

ちなみに、Juliaさんは現在70代になったPeteのコトを
「今もとってもハンサムです」とホメていらっしゃいました^^

以上、Juliaさんの貴重なトークでした。

楽しくてあっという間に感じられましたが、
ご家族だからこその当時の貴重な微笑ましいエピソードを
直接聴くことができて、とてもウレシかったです。

※このあと参加者からの質疑応答がありましたが、このweblogでは割愛します。

イベントの最後に、Juliaさんの著作“IMAGINE THIS”(日本語版未発表)の
購入者を対象にJuliaさんのサイン会が行われました。

Julia Baird▲1冊1冊ていねいに目の前でサインをしてくださるJuliaさん

おつかれの様子を一切見せず、とてもあたたかい笑顔で接してくださいました^^
キンチョーしましたが、少しでも会話をさせていただけたのが夢のようです。
Johnの面影もあるJuliaさんのやさしい表情が、忘れられません。

Robert Whitaker▲会場の外観にも日本武道館公演のお写真が!
Robert Whitaker▲会場を入ってスグのところにある案内板です


まだまだ知りたいコトがたくさんあるビートルズについて、
きっと一生、私は追いかけ続けていくのだと思いました^^