→#2 Laika Came Back x 大木伸夫(ACIDMAN) at Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREのつづきです
6曲め『季節の灯(きせつのとう)』が終わり、大木さんは
大きな拍手を受けながら「ありがとうございます」と挨拶をされたあと、
アコースティックギターのチューニングをしながら、しばらくして一言
「眠くなってないですか?」と客席へ呼びかけると、会場に笑いが起きました。
「歌い終わって、全員寝ていたら……ビックリする。。」と
大木さんが不安に駆られる(?)ほど会場が水を打ったように静まり返っていたのは、
それだけ皆さんが聴き恍れていた素晴らしいステージだったということですよね^^
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大木さんは、宇宙や命のお話が大好きで、ついつい話してしまうものの、
ご自身でも「こういう人は、疲れる、重い」と思っていらっしゃるそうで、なるべく、
そういう話はしないようにと、いつも明るく楽しいお酒を召し上がっているそうですが、
酔うとスイッチが入ってアツくなり、そういうお話になってしまうようです。
昔、飲みの席で話していると「気づくと10人中8人が寝てた……起きていたのは、
俺(大木さん)と目の前のヤツ、ふたりだけ」ということもあったそうで、
さらにその方も今にも閉じそうな目を堪えて開けていらしたとか……お優しい方ですね:;
MCが長いことをお詫びされつつ、次の曲『ALMA』のメロディを
アコースティックギターで奏でながら大木さんはマジメなお話をもう少し続けられます。
「話したいことが、まだまだたくさんあり、もっと伝えられることがあるとイイな」と。
昨日(5月4日のJAPAN JAM BEACH 2016)のライヴが中止になってしまったのは
非常に残念と淋しそうに口にされていました。
(ライヴが中止になったのは、ACIDMANは初めてだったそうです)
その分も今日はキモチを出していきたいとのことで、
その熱量がとてもよく伝わるステージでした。
そして『ALMA』という曲について触れられます。
『ALMA(アルマ)』は、スペイン語で“心”とか“魂”、“愛”という意味もあるようで
南米・チリの“アルマ望遠鏡(国立天文台)”という電波望遠鏡が66台並んでいる場所があり
(宇宙開発は各国が独自に進めており、我先にと競争の世界でもあるようですが)
アルマ望遠鏡では、いろいろな国が一丸となって、お互いの得意分野を活かしながら協力し合い
開発が進められていることを大木さんは、とあるドキュメンタリー番組で知ったそうです。
現時点では138億年続いているといわれる宇宙(地球は46億年)から、最大のもので
なんと、130億年前に放たれた(光の波長より緩い)電波を観測できているそうです!
このような興味深いお話が続く中、大木さんは
またもや「……眠くないですか?大丈夫ですか?」と客席へ呼びかけ、
“スイッチ”が入ってしまわれたことを謝っていらっしゃいました(笑)。
私たちファンは、大木先生のお話に夢中ですから、大丈夫ですよ!
研究員の方々とお知り合いになったという大木さんは、
よく対談をさせていただくと、お話なさっていました。
《 国立天文台副台長 渡部潤一さんと大木さんの対談掲載本》
アルマ望遠鏡について詳しく知りたい、という方は、書籍『アルマ望遠鏡が見た宇宙』を。 建設に至る経緯や電波天文学の基本から、アルマの最新成果までを掲載しています。https://t.co/uAlIfNQFkZ pic.twitter.com/SUo4TosNE0
— 国立天文台 アルマ望遠鏡 (@ALMA_Japan) 2016年2月20日
「我々、人間は、どこから来たのかを知りたい」という一心で、
研究を続けていらっしゃる研究員の方についても、大木さんはお話されていました。
「どうして、人は争い合っているのだろう。どうして、人と人との心が通じ合わないんだ。
そのようなことを知りたいと思うのが、純粋な人間の欲望だと思います。
そして目の前の小さな光を、つかむように手を伸ばしている様は本当に美しいなぁと思います」
「100年後、もっともっと価値観は変わってくると思うし、もしかしたら、
戦争は、なくなっているかもしれない。そうであってほしいなと常に思っています」
「夜空を見上げて、少しでも自分たちの大事な場所に想いを馳せて、
そうすれば日々の些細なことがどうでもよくなり、大事なことがクリアに見えてくる。
138億年の中の、たった数十年しか生きられないのだから、
負の感情は自ら抑えて、心の中に箱をつくってそこに入れ、
誰かをキライになっていたら、一分一秒、自分の人生がもったいないな、
“ムカつく!”と思ったその1秒が、もったいないな、と
思えるように生きていきたいなと思って歌います。」
大木さんの曲やお話を聴いていると、本当に心が改まります。
ACIDMANのアコースティックライヴでも、
序盤は大木さんのみがギターを弾きながらステージで歌うシーンがありますが
今回は全編、大木さんのアコースティックギターと歌による演奏。
まさに字の如く、全身全霊で歌う心のこもった大木さんの歌声とギターは
リズム隊のおふたりのキモチも、のせていらっしゃるかのように
今宵も聴くものの心にしっかりと届き、つよくつよく震わせるのでした。
・・・・・
名残惜しさと共に迎えた最後の曲の前に“今日はとても楽しかった”という大木さんは
「歌い足りないです……しゃべり足りないと言った方がいいのかもしれない……」
「今後、できれば自分でもこのような機会をつくって、極稀にいる“宇宙マニア”な方々と
“地獄のような”宇宙話をする日を夢見て……今日は、終わりたいなと思います……笑」
このような感じで最後まで会場に和やかな笑いをもたらすのでした^^
私たちも大木先生の身にしみるお話をたっぷり聴くことができてヨカッタです!
「最後は皆さんのお力をお借りして、手拍子をしていただきたいと思ってます」
「ここで、くるちゃん(車谷さん)をパクってリズムをとってみようかな、と……」
ループマシンを回し、会場の手拍子と大木さんのカウントではじまった本日最後の曲は、
ACIDMANのライヴのアンコール曲でもおなじみの人気の英詞曲、
前向きで明るい光が射すような『Your Song』で盛り上がり
あたたかく大きな拍手と共に第一部は、お開きとなりました^^
→つづく(後日更新します)